ひとつライム(韻)を思いついた。
プリンセス
不親切
・・天才?
何丘はもしかしたら韻踏みの天才かも知れない。よっしゃ一丁、ラップ楽曲制作してこましたるわ。
韻「プリンセス 不親切」について
えーと、NHKの人形アニメ「プリンプリン物語」て知ってますかね?
あ、「ひょっこりひょうたん島」なら、世代を問わず知ってますよね。あんな感じのやつです。
そのオープニングテーマがこれだ。
この1:06~のパートの替え歌を思いついた。
Go Go Go Go、不親切。
Go Go Go Go、不親切。
不親切、不親切、With Love
ときどき親切、
いつもは不親切、
不親切 プリンプリン。
そう、原曲の「プリンセス」と、替え歌の「不親切」は、母音構成が全く同じなのだ。
プリンセス:U・I・N・E・U
フシンセツ:U・I・N・E・U
こんなすごいrhymeを思いつくなんて、俺はもしかしてラップの天才では?
……これが、ラップ楽曲作ってみっかと志めばえた経緯だ。
まずぁ手本見せてくれ①呂布カルマ
先に言っとくが何丘は日本語ラップに興味がない、全然知らんのだが、
最近「呂布カルマ」という人の曲がカッコいいと思った。
たとえばこの「俺の勝手」どうだい。
サビの部分ちょい抜きだしてみよう。
バケツ持たされて廊下に立ってた アイツはきっと分かってた
オレは何も考えず椅子に座ってた 真っ黒な黒板に向かってた
いつの間にか大人になってた 憧れに自分を重ねた
オレはラッパーになってた 自分の歌歌ってた ここに立ってた
こう見ると韻とか言って、別段のこともない。ただ「タッテタ・カッテタ・ワッテタ・カッテタ……」と畳みかけてるだけだ。
もう一個聞いてみよう。これもすごいカッコいい。「オーライオーライ」
これも歌詞ちょい見てみようか。
宝物を隠すように生い茂った草木
車道の隅 黒ずみ 硬くなった雪
まだ一向に読めない明日の風向き
キの音で行末を揃えてるだけだ。あと、「隅、黒ずみ」てところが心地いいリズムになってますかね。
いや、ゆうて、そんな手の込んだ韻踏みでもないでしょう。
まずぁ手本見せてくれ②鎮座DOPENESS
ちんざ・どーぷねす。知ってますか。
何丘もよく知らないんですが、なんかすごく上手く聴こえるラップをする人です。
大好きなこの曲を。KIRINJIフィーチャリング鎮座DOPENESS。
曲名は“Almond Eyes”ですか。浮遊感。歌もラップも映像も超カッコイイ◎
歌詞(ドープネスのラップ部分)をちょい抜き書き。
その黒髪 たなびく度
鼻を抜けて上がる花火
見抜く眼差し 僕ら串刺し
髪、度、花火、差し、刺し……と、A音+I音で脚韻してるほか、
・「たなびく度」におけるT音とB音
・「鼻」と「花」
・「見抜く眼差し」におけるM音とN音
・「見抜く」「僕ら」「串」におけるK音
子音の反復を細かく織り込んでいる。なるほど芸が細かい。
またDOPENESSがキーになる子音を強調して発音するんで(「たなびく度」のとこ聴いてみてね)、字面で見るよりハッキリと耳には反復が聞こえる。
……ていうか、マ?
ラップってここまでやんなきゃいけねえの?
まずぁ手本見せてくれ③THA BLUE HERB
レぺゼン札幌、ブルーハーブの神曲「路上」。
基本的に日本語ラップ聞かない、むしろ苦手という人(何丘もそう)も、さすがにこれはスゴイと思うと思う。
どうやったらこんなの書けるんだ?トラックもヤバすぎる。
さて、歌詞見てみようか。文学性はさておき、韻踏みの面ではDOPENESSほどの超絶技巧はないと思うが。
5gで1万
スキーに渡すのが1000×5gで5000
残り5000
スキーに借りた金が1000
次の仕入れ分が500×4で2000
残った2000ルピーそこそこが俺の儲け
到底割に合わねえ この5年
とりあえず「せん」「せん」の畳みかけが気持ちいい。
別に歌詞の中でここまで細かく計算してみせる必要はない。
それに、このスピードで暗算されても、聞いてるほうは頭がついていかない。
でも耳には気持ちいい。目まぐるしい数字の交代に酔う。これも一種のラップの技術ではないか。
(参照:同じTHA BLUE HERBの「Ill beatnik」という曲のフレーズ「1日1cmずつ進む、5日で5、1年で365、キャリア5年で18m25ものスコアを叩き出すことができるっていう寸法だよ」)
路上 諦めきれない表情
笑わない妹 落ちない泥
弱者で満載の水が漏るボート
空腹の象徴 おお 路上
「路上」「表情」「象徴」はいいけど、それに「妹」「泥」「ボート」を合せてO音で脚韻踏んでますって顔するのは厚顔つうか、稚拙っつうか、え、ラップってそんなんでいいわけ?
韻踏みの技術まとめ
先輩諸氏(呂布カルマ、鎮座DOPENESS、THA BLUE HERB)から学んだこと。
- 基本は脚韻(行末の母音を揃える)だ
- 脚韻の大構造の内部にさらに微小な押韻構造があるとよい
- 同じ子音を反復登場させる(高等技術)
- ライムの内部で計算式を展開する(リスナーを煙に巻く)
- 内容いいこと言ってれば韻はあんま頑張んなくても成立する
さて、そんじゃ、ラップ書いてみっか。
よう、よう、よう、ちぇきら。
プリンセス不親切。安普請ハクビシン。
韓非子。楊貴妃。眠る参議院。
維新前進、ガムラン・ラザニア。
俺はそこに立ってた。朝焼けが来るの祈ってた。
ルアー投げてた。剥きエビ。ラッパかっぱらってた。
太陽の下で万札数えるの楽しい。
一枚で一万。二枚で二万。
二万が二枚で四万。残り五千。
安普請が四件で二万。残った八万が俺の手取りだ。
安普請ハクビシン。よう、不親切なプリンセスだな。
噛んだな。なんだな。オマエ居残り決定な。
クレヨンしんちゃん読み返しな。そこに答えは書いてある。ピース。