YouTube日記(8/15)

その他

今週みたYouTubeのうち印象に残ったものを貼り付けて一言レビューしてく。

メンタリスト DaiGo|謝罪

メンタリストDaiGoという人がホームレスを侮辱する発言をして炎上、謝罪を行った。当の侮辱発言動画を見たわけではない(どこにあるの?)が、相当どぎついことを言ったようだ。

色々思うことがある。まず、この人の発言は差別を助長する。社会の分断を加速する。暴力を扇動する。そんなことをしてはだめ。そんなことするやつは嫌い。

あと、猫の命がすっごく大事みたいに言うの、すごくすごく気持ち悪い。私も・・いや私は、猫好きなのだが、たぶん猫好きだからこそ、ホームレスの命と猫の命を天秤にかけて、後者はとっても大事だけど前者は価値なしなどという口吻が、なんかもう気色悪すぎていたたまれない。こんな人間憎悪者のうしろで可愛い猫ちゃんたちがきもちよさそうにねんねしているよ。なんか・・倒錯。

あと、一度謝罪動画とかいうのを出して(見ました)、そのなかで、批判者をさして、お前らいろいろ言うけど、俺の方が金稼いでて、俺のほうが税金納めてて、その税金が生活保護受給者にいくという形で、俺の方が結果的に貧者を助けてるからな、お前ら俺に意見するなら、俺と同じくらい稼いでからものを言え、みたいなことを言っていた。ものすごく傲慢な調子だった。こういう考えはやっぱり否定したい。たとえばここに一人の女の人がいて、この人は若くして結婚して家庭の主婦となって、生涯たいした税金を国庫に収めなかったし、ホームレス支援団体に寄付を行うこともなかった。ただ、町でホームレスを見かけたときに、お可哀想にとそっと胸を痛め、そのそばを通るときには、軽く頭を下げて通った。この女の人こそ人間であると私は思う。高額納税で「結果的に彼らを救っている」DaiGoよりも。そして、DaiGo一人がこの地上からいなくなる(それによって生活保護の財源がいささか減じる)ことよりも、この女の人一人いなくなることのほうが、地上の損失だと思う。

まとめると①差別と暴力が肯定され②命には軽重があり③金稼いでないやつは金稼いでるやつにものを言う資格がない。そういう価値観を喧伝して、社会に伝播させた。彼はインフルエンサー(影響力のある人)なので、それなりに強い力で。

上掲の動画(こうなるとオシャレヘアーも逆に痛々しい)で、なるほど彼は殊勝に謝っている。今後もはや彼は、こと生活保護受給者に関して、差別的な発言をすることはないだろう。でも根っこの問題が、彼の捩じれた生命観とか数字持ってる俺が結局偉いのだという増上慢にあることは、彼本人に気づかれてすらいないように見える。この人間憎悪の怪物はこれからもオシャレヘアーでいい調子で人間不在の「心理学」知識を振りまいて、お金をどんどん増やしていくのだろう。

中田敦彦|XENO ゼノ 藤森慎吾vs山本舞香

中田はメンタリストのDaiGoみたいなことは絶対に言わないよな。だから好きだよ。信頼している。マシーンみたいなパーフェクトヒューマンみたいな目で見られがちだがそこは人間だよ中田は。

その中田の新たな仕掛けがこれだ。ゼノやらいうカードゲームを藤森ホストで対敵は女優、中田はゴッドの位置で解説という。ゼノそれ自体にはあまり興味がないので倍速かつ飛ばし飛ばしで見ちゃったが、まぁ中田の挑戦はなんであれ応援したいので、高評価ボタンさえ押した。藤森が完璧にルールをマスターしていて戦況の解説も見事にこなしていたので、正直中田の出しゃばりは全く無用だった(中田うるさい黙れと思った)。これは藤森が偉い。藤森のそゆとこ素敵。

一方の山本舞香というのは、女優だそうだがもちろん知らない、しかしなんというゴージャスな美女だ。そしてなんという薄っぺらな、顔がいいだけで使われとる感満載の女か。番組への備えが悪いのが見え見え。ルールとかセオリーとか全然入ってない。中田も冷や冷やしたに違いないが、藤森がうまくリードしてゲームメイクした。次回はもう少しましなやつを呼んでくれ。ただし山本舞香、ものすごい美人ではあった、非常に画面映えする美人だ。見惚れた。

中田敦彦|新プロジェクト:世界を救うサステナブルブランド始めます!

これも中田の新プロジェクト、お洋服のブランド。「カール・フォン・リンネ」という名前のブランドだって。何しろ地球にやさしいらしい。そして中国だのカンボジアだので作らず日本の下町の工場(こうば)で作るって。そのくせ原価率がめちゃくちゃ高くて要するに消費者とすると良いものが安く買えるって。

第一に、中田のことを信頼する、これが中田が儲けるためのビジネスではないことを信じる。いや当然中田はこれで金を儲けるのであるが、その儲けにはえげつというものがちゃんとある(?)、このプロジェクトでがっぽがっぽ儲けるやつは誰もいないという言を信じる。

第二に、中田の新しい仕掛けは何であれ心で応援する。コメント欄によると予約はすぐに一杯になったそうなので、よかった。

第三に、これを自分で買うかというと、まぁ買わないな。正直高い。シャツにそんなに出せないよ。ただコートに2万は正直全然出せる、デザインもかっこいいし、ラインナップで唯一コートだけは欲しいと思った。日本に住んでたら予約したかも知れない。いや多分みんな同じこと思うだろから多分枠は一杯になっちゃっただろうな。

にしても本当話の持ってき方がうまい。私など中田信者で中田に幸福洗脳されてるクチだから言われなくても最後まで見るが、中田うろんな奴うさんな奴と見ている奴が最初の3分であーその手の奴かセールストークかと視聴をやめてしまうだろうそのまさにタイミングでうまいこと牽制する。

中田敦彦|あらすじ名作落語

また中田。これは過去の動画。いま落語に関心があって、というのも息子の太郎(2歳)が言葉覚えが盛んな時期で、いろいろ言葉をきいて覚えてほしいという中で、落語でもきかしたろかしらんと思った。ところが私じしん落語というものをほぼ知らない。それで「落語」で検索したらこの中田の名作落語あらすじ10選というのが出てきたので、これを見る+実際のプロの演技を見てみる、という二段構えで研究してみることにした。

次の10演目が取り扱われてる。①猫の皿②置泥③悋気の火の玉④お血脈⑤錦の袈裟⑥粗忽長屋⑦酢豆腐⑧野ざらし⑨暁烏⑩死神

自身言う通り、中田のこれ(演技)自体は落語ではない。でもスタンドアップの話芸として十分面白いし、魅せるし、ごくコンパクトに多数紹介してくれて、かなり有難い重宝なもの。落語入門者がまず見るべきものではなかか。普及の功績で落語家協会(的なもの4つあるらしいが)から表彰されていいと思う。

2週間くらいかけて、ここで紹介されてる10演目全部につき、中田の紹介を見る→プロの演技を2人聞く、ということをした。全部YouTubeで。立川談志という人も聞いたし志の輔という人も聞いたし、圓楽だの文楽だの小さんだの志ん生だの、名前だけうっすら知ってるような人をいろいろ聞いた。

その中で圧倒的に好きだったのは古今亭志ん朝という人だった。

古今亭志ん朝(三代目)|芝浜

いやー志ん朝すばらしい。聞き惚れる。なんという日本語だ。多数YouTubeに上がっていて有難い限り、ゆっくり全制覇したいと思う。

芝浜というのはまたいい話だ。女房の3年ごしの涙の告白、見ていてこちらも涙ぐんでしまった。話芸というやつだなー、どの1分を切り出してもただ聞いていられる。

ライバル関係にあったという立川談志という人と聴き比べをするのだが、私は圧倒的に志ん朝の方が好きだ。談志はリズムが悪い。のたくさしている。そこがいいという人がいるのだろうが談志の含羞とか懐疑とか批評性とかうざったい。軽やかに雀のように跳ねていってほしい。談志の芝浜はメロドラマだ。重たすぎる。江戸の空気を伝えているのは、もちろん江戸は知らんが、志ん朝なのだと思う。

立川談志は他に死神とか粗忽長屋とかも見たが見比べた他方の方がいつも好ましかった。露文界隈でよく君はドストエフスキー派かトルストイ派かというのがあるが、落語ファンの間でも談志か志ん朝かという派閥があるのではないかと想像する。一方が好きな人はしばしば他方が嫌いだ。漱石と鴎外でもいいし、ジョンレノンとポールマッカートニーでもいい。

私はドストエフスキー派で、漱石派で、ジョンレノン派だが、志ん朝か談志かなら志ん朝だ。

米粒写経(居島一平、サンキュータツオ)|「落談」

落語の演目が15個ほど把握できたので、久しぶりに米粒写経の落語談義を見返してみた。これは落語わからないなりに非常に面白くて過去に何回か見ていた。

残念ながら言及されてる演目は私の知らないものばかりで、勉強の甲斐はなかった。だが居島のベスト高座5選の第1位が志ん朝というところ、志ん朝いまや知ってるので、あー、ね!

それにしてもこのベスト5発表のくだり、とりわけ1位の志ん朝エピソードの語りは本当に絶品。居島のこの10の話を100でする爆ふかせぶりも爽快だしサンキュータツオの合いの手もいい。ここにまた入神の話芸あり。

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前回(先週)のYouTubeレビュー ⇒ YouTube日記(8/8)中田敦彦、福田萌、徳井義実、ネイマールJr. 他
前々回のYouTubeレビュー ⇒ YouTube日記(8/1)ユニコーン、くるり、Bilal、Common、Орёл и Решка 他
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