【YouTubeデイリーレビュー】1/16:えんとつ町のプペル、藤森慎吾、ロシア国営第1チャンネル

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最近はつとめてYouTubeを見ないようにしている。その分<太郎>に向き合ったり本を読んだりしている。

でも、ときどき見てはいる。ここ数日で印象に残ったものを紹介する。もはや「デイリー」レビューでもないけども。

岡田斗司夫|『えんとつ町のプペル』を見ない理由

私が反感をもっている「プペル」について初めて礼讃的でないタイトルを目にしたので覗いてみた。

岡田氏によると、プペルがダメなのは(※表現は必ずしも岡田氏の使った言葉通りでない)、①泣く意外の用途に使えない映像は、ヌく意外に用途のないポルノと同じである。②単純すぎる。自己否定を内包していない、思想性がない。③オタク層に受けていない。それが証拠に二次創作が出てきていない。

配信に降りてきたら見ます、とのこと。言い切るものだ。

ホリエモン|『映画 えんとつ町のプペル』が素晴らしすぎて4回泣きました

上掲岡田動画を見たあとで見たのもあって、泣いたから何だというのか、4回だから何だというのか、泣いた回数が3回よりも4回の方が「いい映画」なのだろうか、と訝しんだ。口ぶりから、映画の仕掛け人の西野氏と堀江は普段から付き合いがありそうな感じだが、単にお友達の利益のために宣伝をぶっているだけ、に聴こえる。そういうのステマって言うんじゃないでしたっけ。

中田敦彦|映画えんとつ町のプペルが面白かった

さて中田はどう言うのかな、と一応見てみた。一応、というのは、お友達なんだから良く言うに決まってるから。
さすがにうまく臭いを消してるが、やっぱり若干、プペルをめぐる狂騒に引いているところがあるのではないか。体温低そうな動画タイトルといい。私が単にそう思いたいだけか。


私が「プペル」に反感を持っているのはまぁ、私が陰キャだから。陽キャたちがウェーウェー盛り上がってる教室の隅っこでイヤフォンしながら森鴎外を読んでいるから。(いわゆる「リア充爆発しろ」)

別の言い方をすると、私が映画を見に行くときは、その映画に自然に興味を覚えて見に行くのでありたい。自然というのは、私の人生の文脈に、ある映画のタッチがたまたまそぐう、ということ。誰か策士とか熱血漢のような奴がいて、そいつに興味を「持たせられている」という構図が見え透くと、たちまちイヤになる。それが私のネイチャーだから仕方ない。

ふたりclip|しばらく動画をお休みしようと思います。

もともと「今日も僕の彼女が可愛すぎる」というチャンネル名だった。サムネの少女が実際かわいく、ちょいちょい見ていた。けっこう前に「ふたりclip」に改称して、おしゃれなネーミングだとは思うが、それで結構見る人が減ったのではと邪推する。(おしゃれとパンチはトレードオフ)

若いカップルが二人でやってるチャンネルなのだが、男の子のほう(かあくん)が鼻が悪くて手術して今けっこうつらいので、しばらく更新頻度落ちます、という報告。よく休んでね。

それほど人気がありすぎるチャンネルでもないので、二人の消費生活とか金銭感覚がごく庶民的なのがいい。ふつうのスーパーのわりといい肉を買ってきて焼いて「ごちそう~」とか、可愛らしい。あとはまぁ何といっても女の子(しおちゃん)の愛嬌。性格のよさがにじみ出てる。

ランジェリーのコレクション(2018/19 Kiev)

こういうものを見たことを隠す必要はあるまい。きれいな下着をつけたきれいな女性が見られる。4分間の癒し。おすすめ。

藤森慎吾|水が湧き出る山を買いました

藤森兄さんが地元・長野に600坪の土地を買う。ここに理想郷を建設する計画だ。今後が楽しみ。実際いい土地だと思う。アクセスも多分そう悪くないんだろう。

こういうのはインスピレーションかも知れないが、でも晴れの日の素晴らしい光の中で見たことがかなり加点になっちゃってないか。ちょろちょろ小川が流れてるがサウナで使うのに十分な水量なんだろうか。夏場は蚊だの虫だのすごい煩わしいんじゃないか。なんか詰まらんことも考えてしまうけども。

ともあれ一千万円の土地の購入にえいやっと踏み切れる藤森兄の人生、いいな。同世代の私、貯金××万。あと、年の離れた社長氏とのごく自然なトーンのコミュニケーションも聞いてて気持ちよかった。

Япония. Обратная сторона кимоно. Премьера!

こっから2つ、露語コンテンツ。

いまロシア国営第1テレビで日本に関するドキュメンタリー(全8回)を放送中。こちらはそのティーザー。ロシアで累計400分にわたり日本について何がどんな感じで語られるのか、興味ある人はちらっと覗いてみるといい。

メインパーソナリティのハゲの人はポズネル(Владимир Познер)、英仏露3か国語を操るゴリゴリの知識人・ジャーナリストで、ロシアのテレビ界の重鎮。政権に批判的であり「アメリカ人」である(米仏露三重国籍者)にも関わらず国営第1チャンネルに長寿番組を持っているすごい人。進行担当。

もう一人のヒゲの人はウルガン(Иван Ургант)、ロシア芸能界最大のスター、出演料最高額、冠番組の公式YouTubeチャンネルには再生回数千万越えのコンテンツがごろごろ並ぶ名司会者・コメディアン。冗談担当。

まぁ「ビートたけしと松本人志が二人で世界を旅するNHKの番組」といったものを想像してください。

Вечерний Ургант|CIAO, 2020!

そのウルガンによるお正月番組。「チャオ、2020!」つまり「ばいばい、2020年」。2020年12月30日に放送された。

度肝を抜く内容だった。まず冒頭、司会のウルガンが出てきて、さみしそうなトーンで語る。「年の瀬ですね。皆さんいかがお過ごしですか。いつもだったらお正月特番作るんですが、今はコロナでこんな状況で、正直やる気が湧きません。かわりといっちゃなんですが、皆大好きですよね、イタリアの大衆歌謡。彼らが私たちを元気づけるために、特別にやってきてショーを催してくれました。それを見ながら気持ちよく年を越そうじゃありませんか」(※うろ覚え、再現率低)

おおよそこんなことを言った後、やたらきらびやかなスタジオにカメラが切り替わって、そこから50分間「イタリア人たちによる歌謡バラエティショー」が続くのであるが、その司会進行役は他ならぬウルガンなのである。出演者も全員ロシアの人気歌手またはコメディアン。
つまりこれ、フェイクなのだ。底抜けに明るい(そして限りなくダサい)80年代イタリアの歌謡ショーという体(てい)。

その構造さえわかれば、あとはもうロシア語もイタリア語も全く分からなくても楽しめる。つまり、日本人が見ても全然笑える。ウルガンのイタリア語がうますぎてそれだけで笑える(イタリア語は勉強したことがない、とのちインタビューで本人)
何より50分間誰もつっこまず、出演者全員が全力で最後までやり切る、その徹底ぶりがすごい。日本のテレビだったらすぐ突っ込んだり笑ったりしちゃいそう。これを巨大なプロパガンダマシーンである国営第1テレビでやったというのがまた凄い。


イタリア本国でも絶賛の嵐というこの番組、YouTubeの公式チャンネルで全編見れる(1/16時点で再生回数780万回)。激しくおすすめ。

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