YouTube禅レビュー10/3:岸田文雄とマッチングアプリ

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9月最終週に見たYouTubeの中から印象に残った動画をピックアップ。「見たものについて語る」練習。

中田敦彦のYouTube大学|総裁選候補・岸田文雄

前回のYouTubeレビューでも取り上げたが、自民党総裁選を前に、中田敦彦による候補者四氏(河野太郎・岸田文雄・高市早苗・野田聖子)の紹介動画を全部見た。けっきょく勝利者となったこの岸田文雄の回、とりわけ面白く見た。

まったく、こんな言っちゃっていいのというくらい言う。これ見たあとでこんな内股膏薬みたいな人間に日本のリーダーになってほしいと思うやつがいるだろうか。それでも選ばれちゃったのだ。「またヘンなやつが乗せられてエラくなっちゃって」「それでも俺たちゃそこそこ生活してんだからワケわかんねえよなあ」いや宮本君、ほんとそれ。

↑小物感あふれる肖像。ジワる。

中田敦彦のような影響力のある人が(候補者当人の著作とはいえ)本一冊二冊読んだくらいの知識で、誇張や戯画化も交えながら語り、選挙の候補者について何がしかの印象を与えてしまう、……印象を操作する(特定候補を益する)意図はないという本人の弁は少なくとも私には十分信じられるが、人間的な好悪はどうしても語り口の中に滲むものだと思うし、……いいのかな、これっていいんだっけ、という狼狽はあった。実際、この中田動画が党員票の趨勢に全く影響を与えなかったこともないんじゃないか。

でも、少なくとも、今次の総裁選にほぼ全く無関心だった私も、中田が語るならということで、この動画シリーズだけは一連見たのである。見て、これを基礎にもっと知りたいなという気持ちにもなった(なっている)。他の誰が同じことをなしえたか。第一、上記のような批判が浴びせられることは十分予想してたろうに、そこを押して、口うるさい人の多い政治の話題にあえて切り込んだ特攻隊長ぶり、やっぱあっちゃんカッコイイーと言ったりたい。

青山繁晴チャンネル|第217回:総裁選前の状況

私は左翼でこの人は右翼のはずなのだが、青山繁晴は聞いていられる。まともだと思うしもっともだと思うし、すごいと思うしかっこいいと思うし素敵な人だなとさえ思う。「鉄人」の標本。

総裁選について、中田動画を補完する目的で、この一連の青山動画を見た。実行力のある若手改革派の旗手ということでひたすらいいイメージをもっていた河野太郎について、長所はすなわち短所である、石破だの小泉Jrだのに応援を頼んで国民の支持に振れば振るほど議員人気はなくなる、下馬評に反して1回目投票で河野の過半数はまずない、との見方を示されて、はーそんなもんかと思った。(その通りのことが起こったようだ)

左右を問わず、この人が①政府の中枢に深く食い込んでいること②情報の開示に最大限努めていること③高潔な人物であること、は疑いないと思うので、まぁ日本の政治に関心があるならこの人をフォローしない手はないのではないか。私はさほど関心がないのでフォローしないが。

にしても、結局政局・派閥・議員票が全てなら、それと同数の党員票とかいってこんなん民主制の偽装以外の何ものでもないじゃん。むなしいやらアホくさいやら。自民党内部の話とはいえ、今回の総裁選は国民的注目を集めたそうな。メディアは先週「総裁選・コロナ・小室圭」の3大テーマで持ち切りだったと聞いている。自分のものでない祭で空騒ぎしていたわけだ。

新R25チャンネル|ひろゆきにマッチングアプリを使ってもらったら

タイトルにある通り「もしもひろゆきがマッチングアプリを使ったら」。ひろゆきは既婚者なので本来マッチングアプリを使う資格がないのだが「もしも」使うことができたらどう使うか。面白い思考実験だ。「もしも夏目漱石が」「太宰が」は実現不可能だが「ひろゆき」は現にそこらに転がっているのだから使わない手はない。

前半は私から見てもひどすぎた。そんな合理づくでうまくいくわけあるか。成功しすぎてなんかもういろいろ分からなくなってるなと思った。だがさすがにこれは終わってるだろと思わせるだけ思わせておいて、開発者も唖然とするような裏技を出してくる。いわく、かゆいとこまで欲望を言語化してくる親切設計だからこそ、むしろ図像の中の言表されざる情報をよく御し得た者こそが勝つ。これは本当にハックなのではないか。

トーキョーさんぽ|東京で岡山グルメを堪能する1日

可愛い女の子が町へ出かけて食べ歩き、昼間からお酒も飲んじゃう「トーキョーさんぽ」。過去に何回かYouTubeレビューで取り上げた。このチャンネルの何が魅力って、まぁひとつにはトーキョーよ。ゆうて東京以外にもあちこち行くのだが、へーこんなとこあるんだ、この店よさそ、と発見いっぱい。「変わりゆく東京の街」(エレカシ)「でっかい東京。こんな町もあるんだ」(くるり)。

んで第二の魅力がやっぱり美女だ。街歩き食べ歩きのチャンネルはYouTubeに実は多いが(今見たら何丘の登録チャンネル20個のうち8個までがそれ系だった。好きなの)、美女推しはここだけ。てかこうガッツリ顔出してるの自体ここだけだ。元々りなちゃんというのとれなちゃんというのがメインでいて、どちらも私の好きな顔で、それだけでずっと見てられた。二人のキャッキャした自然体の会話(はしゃぎ)も良かった。

↑「トーキョーさんぽ」動画一覧。場所・メシ・美女の三拍子でやってる感じが伝わるべえ。

んで本動画(東京で岡山グルメを堪能する1日)から、またひとり新たな美女がチームに加わったようだ。この子もすごい可愛い。都道府県アンテナショップの物産コーナーと併設レストランの魅力は超わかる。いくつか行ったことあるけどこの岡山は未訪。岡山、がんばってるなー。

ちなみに私の住むウクライナという国にはこういう「地方のがんばり」というものは一切ありません。物産・特産・B級グルメ・ゆるキャラ・駅併設の観光案内所……日本ならあらゆる僻地で何かしらはあるもんだが。だから魅力が尽きないのよな。

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前回のYouTubeレビュー ⇒ 9/26号:中田敦彦の選挙解説vs機関車トーマス
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