オデッサの地理的位置

オデッサ

何丘の住まうオデッサはウクライナの街だ。ウクライナというのはロシアとヨーロッパの境にある国だ。みたいな話をまとめる。私自身よく分かってないのだ、自分がその住人であるというオデッサが一体どこにあるのか。心の中?

(序)ウクライナはどこにあるか

オデッサはウクライナという国の一都市である。
オデッサがどこにあるかの前に、ウクライナがどこにあるかを見ておく。

※赤いピンはウクライナの首都キエフに立てている。

いわゆる「東欧」つまり東ヨーロッパと呼ばれる地域である。フランスとかドイツみたいなザのつくヨーロッパではないが、まぁヨーロッパだ。

違うくくりでは、「ロシア周辺の国々」とも呼ばれる。つい30年前までソ連というひとつの国だった。ので「旧ソ連諸国」のひとつでもある。

どんな国に囲まれてるかを拡大して見てみよう。

わかりやすいよう国境を赤線で囲った。

左下から時計回りに見ていく。まずルーマニアという国と国境を接している。実はちょうど我がオデッサ州で接している。ルーマニアとウクライナの間にモルドバという小さい国があって、これともウクライナはべったり接している。

(割愛するが、モルドバ・ウクライナ間に係争領土がある。「沿ドニエストル共和国」で調べてね)

続けよう。「へぇ」それから「ほぉ」と思ったのだが、ハンガリー及びスロバキアとも国境を接していた。車でずっと走っていけばこれらの国にすっと入れるのだろうか。だがこの辺りにはカルパチア山脈があるのでそんな簡単には往来できない気もする。

さて、ポーランド及びベラルーシとも長い国境を共有している。ウクライナの首都キエフからちょっと上行きゃもうベラルーシだ。

でベラルーシから東がロシアである。国名が書いてないが、時計の文字盤でいうと12時から5時の方角までぐるっと全部ロシアだ。5時の方角にクラスノダールという地名が見えるであろう。ここから左へちょっと海を跨いだとこがクリミア半島で、いまロシアが不法占拠している。そのことでウクライナは今ロシアと大変仲が悪い。

というわけでルーマニア🐈モルドバ🐀ハンガリー🐓スロバキア🐂ポーランド🐇ベラルーシ🐉ロシア🐘、計7か国と国境を接している。

なお、西側で国境を接している国はほとんどがEU加盟国だ。んでそれ以外の隣接3か国――モルドバ、ベラルーシ、ロシア――並びにウクライナ自身が旧ソ連である。ヨーロッパとロシアの間に挟まれた国(どちらか言うとロシア寄り?)という位置取りが見て取れると思う。

あと、ウクライナの南の海が黒海なのだが、その黒海の対岸の国はトルコだ。

オデッサはウクライナ南部の街だ

世界地図の中のウクライナの位置が分かったところで、今度はウクライナにおけるオデッサの位置を確認したい。

Google Mapのこの縮尺だと、ウクライナの都市名は3つだけ表示される。キエフ、ハリコフ、オデッサ。この順に、ウクライナ第1~第3の都市だ。それぞれ一言で性格づけると、内陸部にある首都キエフが経済・行政の中心、東部にあるハリコフが工業都市、南部にあるオデッサは港湾都市である。

距離感の目安として、地図でキエフからオデッサまで一本黄色い線が通ってるだろう、この太い幹線道路で500㎞弱。車でぶっとばしゃぁ5時間。鉄道だと7時間からかかる(高速鉄道は存在しない)。

オデッサは南に位置し、しかも海に面しているということで、夏暖かく冬寒すぎない街ということになる(キエフあるいはモスクワの感覚からすると)。なのでソ連時代から伝統的に、オデッサは人たちが夏場バカンスに訪れる「黒海沿岸の温暖な保養地」だった。

この点、次章でもうちょい詳しく。

オデッサは黒海沿岸の街だ

上の地図はウクライナ国境線のうち海に開けている部分を切り出したもの。この中でオデッサは最重要の位置を占める。

貿易港

まずウクライナ最大の貿易港として重要だ。対岸のトルコから色々入ってくる。また、あとで見るが、黒海は内海のように見えて、実は一か所で地中海ひいては大西洋と繋がっている。なので世界各国からモノが入ってくる。また大穀倉地帯であるウクライナの小麦や何やがオデッサ港から各国へと出ていく。

ちなみに、上の地図でオデッサと同じくらい大きい字で書いてあるセバストポリというのは貿易港というよりは軍港で、それもロシア海軍の港である。クリミア半島が2014年にロシアに占拠される以前からそうだった。軍港としてあまりに重要だったため、ソ連崩壊後もロシアがウクライナから用地を租借していたんだす。

リゾート地

ロシア人・ウクライナ人は北の民なので太陽光を貴ぶ。日光浴・海水浴が大好きな人たちだ。だもんで夏になると大挙して南の海へと押し寄せる。

ウクライナでいうとその南の海というのは即ちオデッサでありクリミアだった。でもクリミアが実質ロシア領になってしまって行きにくくなった。加えて2020年はコロナ禍で、いつもならモンテネグロとかギリシャとか行っていた人たちも外国行けなくなった。結果、オデッサに海水浴難民が殺到した。
当局はこれに対して(十分予想できた事態なのに)何ら有効な対策を打たなかったので、夏から秋にかけてオデッサ含む南ウクライナでは、コロナ感染者が急増したのでありました。

錨⚓のモチーフ

オデッサの市章は錨(いかり)をあしらっている。港街であることはオデッサのアイデンティティなのだ。

Герб

街中にも至る所に錨のモチーフが見られる。

Фото - Дмитрий Василевский
こちらから拝借

「I ♡ ODESSA」の「♡」が錨になってる、みたいなあしらいもよく見かける。

大衆歌謡の中のオデッサ像

オデッサについて歌ったロシア語の歌がいっぱいある。立川市歌は立川市民しか知らないが、オデッサの歌は旧ソ連圏でかなりよく知られている。歌の中にオデッサがどう描かれているか、若干の実例を見てみよう。

まず「黒海のほとりに」。

Леонид Утесов "У Черного моря" (1955)

Есть город, который я вижу во сне.
О, если б вы знали, как дорог
У Черного моря открывшийся мне
В цветущих акациях город, —
У Черного моря!

とある街のことを夢に見る/君は知るまい、大切な街/黒海のほとり、いま私の前に立ち現れる/アカシアの花咲くあの街を/黒海のほとりの。


次は「オデッサ人ミーシカ」。

Мишка Одессит – Песни военных лет – Лучшие фото – Ты одессит Мишка, а это значит…

Ты одессит, Мишка, а это значит,
Что не страшны тебе ни горе, ни беда!
Ведь ты моряк, Мишка, моряк не плачет,
И не теряет бодрость духа никогда!

お前さんはよ、ミーシカ、オデッサっ子なんだ/ならばよ、悲哀も災難も、あんたは恐れちゃいけないんだ/だってお前は海の男だろ、ミーシカ、海の男が泣くもんか/しょげ返ることなんかあるもんか、決して。


調子のってもいっこだけ紹介を許してほしい。「ボラ満載の船」。

Марк Бернес/Mark Bernes – Одессу Костя/Song About Odessa

Шаланды полные кефали
В Одессу Костя приводил
И все бендюжники вставали
Когда в пивную он входил

船をボラで一杯にして/オデッサに帰ってきたコースチャ/彼が酒場の門をくぐると/荷役どもが皆立ち上がる。

船乗り、漁師、海の男は、オデッサの象徴であり、英雄なのだ。だから皆から愛される、尊敬される。
(なお、この歌でオデッサが「アデッサ」と発音されているのは、歌い手が実はオデッサの人ではないことを示している ⇒ オデッサか「アヂェッサ」か


歌を三曲ほど紹介してまぁ要するに何が言いたいかというとオデッサは「海の街」だということだ。

(破)黒海はどこにあるか

ことのついでに黒海の地理的位置を見たい。

どんな国に囲まれてるか

黒海はどのような国に取り囲まれているか。見てきたように、北側はウクライナとロシアである。んで南側がトルコ。残るは西と東だが、まず西はルーマニアとブルガリア。んで東側がグルジアである。(私にはグルジアをジョージアと呼ぶことがどうしても無理なのでお許しいただきたい)

国境線が見にくいと思うが、グルジアは小さい国なので、「ジョージア」という文字のすぐ上はもうロシアである。

クリミアの右上は黒海に非ず

赤ピンがオデッサ。黒海にぼこんと出っ張ってるのがクリミア半島で、その右上の水域はもう実は黒海ではなく、アゾフ海だ。

プーチン宮殿とソチ

赤ピン刺さってる場所がナヴァーリヌィの暴露動画で「プーチン宮殿」が位置するとされるゲレンジーク。何の話か分からん人 ⇒ プーチン宮殿と谷根千散歩

ここから海岸線ぞい右下に行くと、2014年冬季五輪が開かれたソチがあります。

ボスポラス海峡で外洋とつながる

黒海は一見すると陸地に閉ざされた内海なのだが、赤ピン刺さってるトルコのイスタンブールのボスポラス海峡で外海とつながっている。出てすぐの海はマルマラ海というらしい(今知った)。次いでエーゲ海、地中海、その先はもう大西洋だ。

そこで疑問に思うのが、たとえば日本から船便で送られた荷物は、オデッサにどう届くのか? 何丘は今まさに実家からカレールゥ等の糧秣を待っている。スエズ運河~ボスポラス海峡を通ってオデッサに直で届くのか? それとも欧州の大きい港で降ろされて陸路で来るのだろうか。それで日数がだいぶ変わってくると思うので、気になるところだ。なお、12月16日発送、2月15日現在未着。

野村佑香「ぐるっと黒海4000キロ」

公式インスタより拝借

むかしNHKで野村佑香ちゃんを旅人とするぐるっと黒海4000キロ「アジアと欧州の交差点を行く」という特番が放送された(2014年)。ぐるっとシリーズのファンだったので当然すわ黒海ということでこの回も見た。期待に反してオデッサのことはほとんど取り上げられなかった……ように記憶する。
何しろそういうものがあるので、オンデマンド等で見られる環境にある人は、興味あれば一度ご覧になっては如何。書籍化もされているようだ。

黒海の話は以上。

オデッサの緯度は稚内と同じだ

「オデッサの地理的位置」に話を戻す。

オデッサはウクライナ南部の街で海沿いの街で、温暖だ温暖だ、という話をした。ところが聞いてびっくり、オデッサの緯度は北海道・稚内と同じである。

赤ピン刺さってる稚内・宗谷岬北西の弁天島いうところが択捉除いて日本の最北端らしく、ここが北緯45度31分。一方のオデッサは北緯46度28分だ。

「北へ行くほど寒くなる」という感覚からすると、日本の北の最果てよりまだもう少し北に位置する街が「温暖なビーチリゾート」であるというのは混乱する話である。

ふつう欧州が高緯度のわりに温暖なのはガルフストリーム(北大西洋海流)があるからだ、と説明される。なんで同じ北緯41度の函館とバルセロナが片やアレで片やコレなのか。「温暖な北大西洋海流があるからです」とこうだ。

だがオデッサはその北大西洋から大概離れている。そんな何でもかんでもガルフストリームで説明がつくものだろうか。

言うて寒い

実際住んでみて分かったのだが、黒海沿岸の温暖なリゾート地とは言うが、それは飽くまでキエフだのモスクワだのから見ての話であり、また夏に限った話である。

ちとWikipediaからオデッサの年間の気温の変化の表を借りる。

123456789101112
平均最高気温 °C2.22.76.613.019.524.027.026.521.015.08.43.7
日平均気温 °C−0.5−0.23.59.415.620.022.622.317.211.65.71.1
平均最低気温 °C−2.8−2.61.06.612.116.318.518.213.58.63.2−1.2

7・8月の平均最高気温が30度いってないことを見てほしい。また、1・2月の日平均気温が零下であることを。

夏はまぁまぁの暑さ、冬は言うてそこそこ寒い。ふた夏ふた冬過ごしてみての、それが日本人わたくしの感想だ。

オデッサは心の中にある

「オデッサの地理的位置」というお題で書きたかったことはもう一通り書いた。

オデッサは心の中にある? そりゃ一体何の話だ。

(Q)心はどこにあるか

心はどこにあるか? そりゃまた一体何の話だ。

この二章はただ目次のために設けた。

目次がこのような見た目になるために、最後二章は特に何を書く予定もなく立てた。

序・破・Qというのは「エヴァンゲリオン」である。何丘はエヴァンゲリオンは全然知らない。でも中田敦彦のYouTube大学で概要は押さえた(⇒ ちびまる子ちゃんとエヴァンゲリオン)。

それで分かったのだが、どうやらエヴァンゲリオンは「意味ありげ」の芸術であるらしい。わたくしの大学の先生が言っていたのだが、詩とは「意味あり/意味なし」の間のこの「/」の部分、すなわち「意味ありげ」の領域を扱う文芸であるそうだ。それと同じでエヴァンゲリオンも、本当は全く徹頭徹尾何の意味もないのかもしれないのだが、ともかくもぼっけぇ深い意味がありそうに見せてくる、その見せ方の超絶技巧を楽しむものなのだ。

それでいくとこの「序破Q」という三段構成もなかなかのものだ。いい感じに意味ありげにできている。サービス、サービスぅ!(全然知らない)



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