先週見たYouTube動画の感想。
【歌】モークスおじさんとフンチクの歌
モークスおじさんとフンチクの歌(Песенка дядюшки Мокуса и Фунтика)。ソビエトアニメ「子豚のフンチクの冒険(Приключения поросенка Фунтика)」(1988年)の劇中歌。太郎がこれにハマって、今週千回聞いた。人生賛歌というんでしょうか、陽気な、人を元気づけるような歌。曲芸師のモークスおじさん(サムネ)は善良を絵に描いたような人で、モスクワ・猫劇場のククラチョフを思わせる。
歌詞はこんな感じ。
モークスおじさん:ぼろ服、赤鼻、でも心は若さを忘れずに。あゝフンチク、お前もそう思わないか?
フンチク:そうともさそうともさそう・と・も、さー!
モークスおじさん:笑いは有益にして無害、心をいつでも慰謝してくれる。あゝフンチク、お前も同じ考えか?
フンチク:もちろんそうなりもちろんそうなりも・ち・ろ・ん、さー!
モークスおじさん:サーカスの灯りは美しい、決してくすんだりなんかしない。あゝフンチク、私に同意してくれるか?
フンチク:断じて然なり断じて然なりだ・ん・じ・て・然ー!
この断じて然(しか)なりのところを太郎は覚えてしまって、今ではКонечно, да, конечно, да, конечно, да!と連呼している。
【動物】オカピ
オカピというのは森の貴婦人とも呼ばれるケツだけしましまの馬だ。つまり「しましまのうま」がしまうま、「しましまじゃないうま」がうま、「けつだけしましま」なのがオカピ。わかったかね、太郎?
この動画はどっかの動物園で撮られた、オカピが動き・歩き・草を食べる様子をただ映したもの。太郎にオカピを教えようと思って見せた。いろんな動物を知ってほしい。
【海】10/31は国際「黒海の日」
10月31日は国際「黒海の日」であるという。黒海は実は環境破壊が深刻な海だ。この機会に本動画および動画の制作者であるУСИという露字ローカルメディア、並びに購読してるローカル週刊紙Одесская Жизнь(オデッサライフ)に学んだことを下にまとめる。
まず、黒海はわずか8000年前まで湖だった、「地球で最も若い」海なのだそう。だがそれはわりとどうでもいい。
問題は、黒海が「地球で最も汚い」海なのかもしれないことだ。黒海は水深が意外に深く、深いところで2200mもある。しかしどの海域でも水深150mより下には生き物が全くいない。сероводород=硫化水素の層がそこには広がっているから。沿岸国の生活/工業排水に含まれる有毒物質が堆積しているのだ。で、その層はますます上がってきている。(ちなみにいわゆる深海魚の定義は水深200m以下に棲息していることらしいから、ふつうの海ならそのくらいの深さには生き物がふつうにいるのだ)
黒海にはかのドナウ川も注いでて、そのドナウも河口付近ではだいぶ汚くなっているらしいから、黒海の汚染については西欧各国にも一半の責任がある……かもしれない、ということで、近年、EUとウクライナ協同でモニタリングを行う学術的な枠組みが設けられた。プロジェクトは9割がEU側の出資。ウクライナ側は財政難のため、モニタリングを30年間行っていなかったらしい。EUさんには感謝しかない。
【ウルガン】晩方ウルガン|アレクサンドル・ローゼンバウム他
Вечерний Ургант(晩方ウルガン)最近またちょこちょこ見ている。これはАлександр Розенбаум(アレクサンドル・ローゼンバウム)の回。
ローゼンバウムって日本でどのくらい知られてるのだろうか。昔からいるギター一本弾き語りの人、いわゆるバルド(吟遊詩人)、まぁオクジャワとかヴィソツキーみたいな。「シンガーソングライター」というやつか。
サムネはローゼンバウムとウルガンが「アメリカ糞ポップをローゼンバウム風に歌ってみる」というお遊びのコーナー。笑った。ローゼンバウムはもちろんだけど、ウルガンがギターちゃんと弾けて偉い。ロシアではギターは特技でも趣味でもなく「芸能人」が当然身につけているべき教養なのだ。いざ弾けと言われたときにギターも弾けない俳優はクソだ、とリュビーモフ(タガンカ劇場)。またこうしてたまさかのゲストの過去曲を当然のように知悉してるが、これだって陰の努力が相当にあるはずなのだ。あらゆるゲストについてこうなのだから。本当にウルガン大した奴だと思う。
おまけゲストのАнастасия Красовская(アナスタシア・クラソフスカヤ)の方は「顔がいいだけで使われとった奴」臭ふんぷん。モデル上がりの女優だって。こんなサムい相手もどうにか調理しなけりゃならないんだから本当ウルガン大変な仕事だよ。
【歌】アレクサンドル・ローゼンバウム|ボストンワルツ
ローゼンバウムにちょうど時宜を得た歌があったので今週繰り返しこれを聞いていた。ボストンワルツ。詞は難しい言葉が多くてちょっと調べなきゃだが、音が好き。サビのこの部分は耳に残る。脳にしこる。
Как часто вижу я сон,
Мой удивительный сон,
В котором осень нам танцует вальс-бостон.
なんとよくあの夢を見ること、あの驚くべき夢を、秋が我らにボストンワルツを踊る夢を。(ボストンワルツって何……)
超余談だが、ローゼンバウムの現在のルックスは『マレーヴィチ考』を書いたあの碩学を彷彿とさせてやまない。O雅彦、あなたのことだよ……。
【映画】エレクトロニクの冒険
ソ連映画Приключения Электроника(エレクトロニクの冒険)。子供向けの映画で演出・演技はチャチだが、その学芸会感がむしろ愛らしい。これでいいのよ映画なんて。
実は前に見たことあるんだけど、今見返しているのは、先週越してきた私らの新居がオデッサ映画撮影所の真ん前で、本作もオデッサ映画撮影所の制作だから。外ロケも結構オデッサで撮ってるということだったので、今見たら楽しかろうと思って。実際「あ、ここ多分オデッサの感じだね!」と思うところもある。思ったほど明らかでないが。「思う」て言いすぎか。
転居の顛末は「オデッサの街中に住むとこ探す。」の記事を読んでね。
なお、有名なкрылатые качели「有翼ぶらんこ」はこの「エレクトロニクの冒険」の劇中歌です。
今週は以上。
なんかロシア語コンテンツばっかりになりました。なんとなく中毒して新作出るたび見てたホリエモンとか箕輪厚介とかNews Picsとか新R25とかもう見ないと決めたのが一つある。中田敦彦とかもいったん見るのやめた。そのうちまた見ると思うけど。(もののけ姫のやつ見たい)
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