【週刊YouTubeレビュー】10/24:前澤友作がロシアで豪邸を買うとか買わないとか

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直前の一週間に見たYouTube動画を振り返って、印象に残ったものについてその印象を記しておくということを、これで13週続けている(第1回は8/1号だった)。それで何になるというものでもないが、とりあえずこの梯子を伸ばしていってみる。天国に通じているかも知れないではないか。

Yusaku Maezawa【MZ】|【衝動買い】前澤、ロシアに豪邸を買う!?

ろくに知らないのだが前澤友作という人のYouTubeを見てみた。私、豪邸見学が好きなので。

変な話なのだが、こういう日本人の外国ロケものを見るとき、「恥ずかしくない振る舞いをしているか」「これら現地人たちの目にこの者がどう映っているか」を気にしてしまう。私自身が海外住みだから、というのは説明にもなっていない。なんでそういう目で見るのだろう、自分が分からん。ともかく、それで言うと、前澤はまず大過なかった(何様

感想を3点。まず、ゾロゾロZOroZOroと、御一行感がすごい。私らも当地(ウクライナ)で物件巡りをようさん経験したが、当然ながら大家と仲介人の2人組程度で案内を受ける、それがロシアの超高級物件ともなると、専門の不動産業者がいわゆる「ロシア美女」を3人もつけて華を添え、通訳だの前澤側のスタッフだのも含めて10人からの大集団で動き回る。

それから、肝心の物件だが、全く魅力を感じない。こういう現実(私の現実)離れした物件を見るときも、原則的に「私と妻と子、3人がそこに住む」ことをしか想定ができない。その限り、この広さは全く馬鹿々々しい無用さだ。つい先日移り住んだ私らの新居の方がよっぽどいい(⇒オデッサの街中に住むとこ探す。

最後に、チャンネル名の表記(Yusaku Maezawa【MZ】)にあるように、この人は自分のことをMZと称したがっているらしい。マイケル・ジャクソンMJ、クリスティアーノ・ロナウドCR7、こういうのは本物のスーパースターにのみ許されたことだ。それを自称しちゃうあたり、まず①苗字押しなのがやはり日本人。そして②いっそ清々しい。このスター実業家にむしろ興味が湧いた。

みのミュージック|ベースラインだけでビートルズの曲を当てろ!【クイズ】

ビートルズ楽曲の曲頭のベースプレイだけ聞いて曲名を当てるゲーム。みのさん恐るべし、ほぼ全問正解。ビートルズフリークは伊達じゃない。私はビートルズは全ての曲を知っていてどの曲を歌ってるのが(≒どの曲を作ったのが)誰ということまで基本的には分かる、みのさんの定義でいう「初級」修了者だが、当てられたのはひとつふたつであった。

こうして改めてベースだけ聞いてみると、かなり初期の曲でも結構ハネたことをしていて、やっぱりすごいんだなぁ(幼稚な感想)と思った。私自身は楽器を弾けないのでこれらベースがどのくらい難しいことをしてるのか分からないし、みのさんがいう「ここが天才」「この着想は鬼」というそのどこに天才鬼才が表れてるのかピンとこないのだが(なんとなくしか)、でも恐らく、私の感覚では、この人たちはYPS(やっぱりすごい)。

先のみのさんの「ビートルズ全楽曲をドラムスだけ聞いてみろ(リンゴスーパースター説)」もまだ実践できてないのだが、いつかベースにのみ注目(耳)してビートルズをおさらいもしてみたい。

John Legend – Show Me

先週出会ったJohn Legendを今週少しく掘ってみた。前回のYouTubeレビューではよく知らんこのアーティストにいたずらに高い期待を寄せてしまってたのだが(期待の材料はft. CommonのRainという曲、それからLike a bridge over troubled waterカバー)、John Legendで調べて出てきたのを上から順にチャーハン作りながらちょいちょい聞いてみると糞ポップばかりだった。界隈でいう「黒さ」がなかった。

だがそれだけの人ではやっぱりなかった。このShow meという曲、鳥肌ものの名曲だ。劈頭のベースから痺れる。ファルセットを主体とした内省的な歌唱もすばらしい。歌詞少し紹介したい。(めっちゃ散文的に訳す)

寝る前ちょっと思ったんだけど僕たちここ数週間会話してないよね、いろいろ聞きたいことが出てきたんでこっち来てくれるかなお話しようよ/僕の目にも見えるような何らかのサインというものが必要なんだ、ねぇなんでこんなにだらけなの?/迷信にハマりこまないように気をつけているけれど、現実(リアリティ)てそも一体何だろうね。

これが1stヴァース。で次ブリッジ(※曲調が少し変わるところ)

どこへ行くものなんだ、私たちは。何を知ってるものなんだ、私たちは? 人生は何か意味を持つものであるはずだ。見せてくれ、光を。示してくれ、道を。証してくれ、ちゃんとあなたは私たちの声を聞き届けていると……

で、コーラス(サビ)

証してくれ、私を愛していると
証してくれ、私と歩みをともにしてくれていると
望むらくは、私の頭上に
天国が、私を見守っていることを

つまりこれ、神との対話の歌なのだ。二番はさらに苛烈な問いへと踏み込んでいく。「恵まれた人生を有難うと私が言うのもおかしな話だろうが、その対価に支払われているプライスはいかほどですかと問わずにはいられない時がある、愛の神・平和の神・慈悲の神であるあなたよ、世界がこれほど苦しみに満ちているのは何故なんですか?」

「あの人たちはどこへ行くのですか、何故、行かねばならないのですか。何故、私を選ばないのですか?」

で歌は次の言葉で結ばれるのである。「ま、そのうちお話する機会もあるだろうからとりあえずそんなに考え込まないようにしとくよ、死ぬのをただ待ってる人生もつまらないから、今のこの人生をとりあえず楽しんでおくわ……」

世界の苦しみと神の沈黙、ほとんどドストエフスキーではないか。この一曲の中にカラマーゾフ兄弟が3人ともいる。引き続きこのJohn Legendという人を掘ってみたい。

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